2012年5月19日土曜日

港が見える丘

海外では受賞や重版、展示など、とても30年以上前の作品とは思えぬ扱いをして
いただき、大変有り難く思っているのですが、日本では何をやるにも至難の業。
出版不況の現状を思えば当然なのかもしれませんが、それでは遺された作品が可哀想。
まんだらけから「リリシズム」を出して頂いたことで気持ちに区切りがついたので、
次はどの方向へ動き出そうか思案中。

まずは秋頃から原画を展示することに。詳細は夏頃です。
去年大阪でトライしたトークイベントを今年は東京でもやってみようかな、
と思っています。歌のゲストもお呼びして。

事がうまく運ばぬとき、眉間にシワがよったとき、ふいに聞こえるあのメロディ。
父の十八番「港が見える丘」。フッと肩の力が抜けて、楽しみながらやればよし、
と言われているような気持ちになるのです。



 海でも見に行くか。



2012年5月17日木曜日

Polymanga2012の美しいトロフィー

今年4月に スイスの漫画祭 " PoLymanga2012 " で、上村一夫の「関東平野」が
青年誌部門で賞をいただきましたこと、このブログでもご報告致しましたが、
先日そのトロフィーがフランスのkanaさんを経由して到着しました。
トロフィーというよりは、美しいオブジェという感じ。

生前は忙しく、また、当時漫画家に与えられる賞も少なかったと思われ、
こうして今、受賞などするとは思ってもいなかったであろう父の遺影をバックに。
クリスタルの光眩く、亡き父に捧ぐ。

2012年5月16日水曜日

ドイツ・ボーフムで

来週からドイツのボーフムにあるSITUATION KUNSTという近代美術館で
VON THANGHA BIS MANGA」(タンカからマンガまで)という
テーマでの展示が始まります。
チベット仏画タンカ・インドのクリシュナ・日本の漫画の3部構成になっており、
それぞれの宗教、文化、社会から生まれた崇拝の対象としての仏、クリシュナ、
漫画ヒーローが紹介されるとのこと。
日本の漫画では、手塚治虫「ブッダ」、中沢啓治「はだしのゲン」、
辰巳ヨシヒロ「大発掘」、上村一夫「狂人関係」の原稿が展示されます。
「狂人関係」はすでにドイツで出版されており、歴史的人物である葛飾北斎と
漫画のルーツといえる浮世絵を取り上げたという点で選ばれたようです。
ドイツCARLSEN社のサイト

当初、タンカやクリシュナの流れから漫画に流れていく感じがうまくイメージ
できませんでしたが、 手塚先生の「ブッダ」がまず最初に紹介されることで
すんなり納得できてしまう妙。
手塚作品は今でも漫画という手段で世界と繋がり、大切なことを伝え続けているんだな。


すごく立派で美しいカタログが送られてきました

カタログではこんな感じで紹介されています


2012年5月5日土曜日

タイムトリップ アンソロジー1970

1970年に描かれたマンガを集めたアンソロジー文庫「コミック1970」。
徳間書店より5月2日に発売されました。

2002年に雑誌形式で発売されたアンソロジーに石ノ森章太郎+小松左京『くだんのはは』を追加して文庫化したものです。
収録作家は手塚治虫、石ノ森章太郎、松本零士、つげ義春、ジョージ秋山、上村一夫、辰巳ヨシヒロ、日野日出志、みなもと太郎、古谷三敏、谷岡ヤスジ、畑中純。
コラムには 片岡義男、泉麻人、米澤嘉博、野口文雄、と文庫サイズにみっちりと詰まって読み応えあり。オススメです。